ビジネスの世界で、「あの人仕事ができて羨ましいな」「自分も仕事を器用にこなしたいな」と思ったことはありませんか。
『仕事の教科書』は、初めてのビジネス社会で頑張っている新卒や、自分の仕事ぶりに満足できず悩んでいる方に是非届けたい本です。
本記事では、『仕事の教科書』から得た4つの学びを解説していきます。
著者と本の要約
北野 唯我(きたの ゆいが)
1987年生まれ
就職氷河期に博報堂に入社し、経営企画局・経理財務局で勤務
(売上一兆円グループの大企業で経営戦略に携わる)
↓
米国・台湾留学
↓
世界三大外資系戦略コンサルティングファームで勤務
↓
現在、ワンキャリアに参画、執行役員に就任
その他、テレビ番組や日本経済新聞、ビジネス誌で「職業人生の設計」の専門家としてコメントを寄せる
要約
この本は、北野氏がこれまでの経験をもとに、「ビジネス人生を生き抜く力」「大人は誰も教えてくれない働く技術」が書かれています。
北野氏が持っているすべての技術を読者に分かりやすく、具体例をあげながら描かれています。
以下の4つの章から構成されています。
第一章 「仕事が遅い人」と呼ばれないためのスピードアップ術
第二章 「わかりづらい」から脱却するための提案術
第三章 相手から「Yes」を引き出すための提案術
第四章 健康と成長を両立させるためのセルフコントロール術
学んだ4つのこと
スピードが速い人はタイミングが「すぐ」
1つの目の学びは、仕事ははやい人はタイミングは早い人だということです。
仕事ができる人の共通点に、「仕事がはやい」ことが挙げられます。
しかし、そもそも仕事がはやいとは、何を基準にしているのでしょうか。
同僚と比べてなのか?先任者がかかった時間と比べてなのか?
本書では、仕事がはやい人の1つの特徴は、「期限よりも前に提出する」人であると書かれています。
期限までに間に合えばいいという思考から、期限ぎりぎりに提出することはなにも間違いではありません。
しかし、仕事を頼んだ側からすると、期限よりも早くに提出してくれることで計画を前倒しに進めることができ、結果的に「仕事がはやいからまた頼みたい」と信頼を得ることに繋がります。
仕事がはやい人は、「誰か」を基準にするのではなく「期限」を基準している
不安点があっても、やります!と言っていい
「実力不足でできるのか不安」「失敗して相手に迷惑かけたくない」という思いから、頼まれた仕事を、すぐに「やります!」と言えないことがあります。
しかし本書では、不安点があったとしても、Yes,but構文とyou need構文を使って、仕事を頼まれたら「すぐ」にYesと返事するべきだと書かれています。
➀Yes,but構文:
まずは「やります」と言い、その後条件を付ける
例)新規クライアントの営業提案を打診された場合、
「やります!ただ、営業提案にあまり自身がないので、教えていただけますか?」
このように、打診に対して不安な点があっても、細かな条件を聞くのではなく、まずは間髪入れずに「やります」と意思表示をすることが大事
(本書p40-41参照)
➁you need構文:
Yes,but構文の後につけて、「ここを助けてほしい」と宣言する
例)現時点で自分に足りない所が分かる場合は、どのような助けが必要なのかを伝える
(➀の営業提案を打診されたケースであれば、Yes,butの後に)「クライアントに提案する前にロールプレイングさせていただいてもいいですか。」
例)現時点で自分に足りない所すら分からない時
「申し訳ありませんが、何一つわかっていないのでどこかで30分ほどお時間頂けませんか?概要を教えていただきたいです。」
大切なことは、プライドや見栄により、すべて持ち帰ってから決めようとするのではなく、「その場」で不安点を伝えて、約束を取り付けること
(本書p41-42参照)
直接仕事を依頼されるということは、「次のレベル」を求められているということです。そのため不安や経験不足を感じるのは当然なことです。
そこで断ってしまうのではなく、Yes,but構文、you need構文を用いてチャンスをつかんでいくことがコツです。
自分の中で経営者と実行者を分離させる
仕事のスピードを高めるためには、「集中力×処理能力」が重要です。
処理能力は経験が多い人の方が有利になりやすいので、経験がないうちは「集中力を高める」方を極めるべきです。
集中力を高めるために、
・「やるべきことを整理する」経営者
・「整理されたことを実行する」実行者
を自分のなかで分離させます。
経営者がto doリストを作り、実行者がそれに沿って作業をこなしていきます。
この時大切なポイントは、経営者は実行者がやりやすいように、仕事を分解し、タグ付けしていくことです。
タグとは、どのように取り組まなければいけないのかの目安です。
上司に「急ぎだから最優先にやって」と言われるか、「急ぎじゃないから自分のタイミングでやって」と言われるのでは、取り組み方が異なってきますよね。これを自分にもしてあげることで実行しやすくなるのです。
例)to doリスト
・すぐ出かけれるように荷物を準備する(1分)
・パソコンを充電しておく(1分)
・カフェに行く(10分)
・記事を1つ完成させる(2時間)
上記のto doリストに、実行者がやりやすいようにタグ付けします。
例)to doリスト
・すぐ出かけれるように荷物を準備する(1分):前日の夜、寝る前にやる
・パソコンを充電しておく(1分):前日の夜、寝る前にやる
・カフェに行く(10分):つべこべ言わず、とにかく行く
・記事を1つ完成させる(2時間):目の前に人がいることをイメージして一気に書き切る
このように、集中して取り組むためには、自分を経営者と実行者に分離させることがコツです。
分かりやすい報連相(ほうれんそう)
仕事は、一人で完結するものではなく、周囲の人々との連携があって成立します。
そのため、進捗状況の報告、連絡、質問など報連相を多く求められます。
その際、口頭でもメールでも使える「わかりやすい」文章をつくるコツが2つあります。
この2つの学びについて、それぞれ解説していきます!
目的ファースト
文章の冒頭に「相談」、「共有」、「意思決定」を伝えることがコツです。
口頭で伝える場合
・「相談があります。」
・「これは情報共有です。」
・「意思決定がほしいです。」
メールで伝える場合
・【相談】新規クライアントの提案
・【共有】月次業務の進捗
このように、初めにどのような内容か相手に伝えることで、相手は内容を理解しやすくなります。
事実と解釈を分ける
どこまでが事実で、どこからが解釈なのかはっきりさせるために、2文に分けて書くことがコツです。
NG例:
大変嬉しいことに、売上目標が10億円のところ、必死の営業努力と市場環境の後押しによって、目標を大幅に達成し、今期の売上が11億円に着地しました。
OK例:
今期の売上は、目標10億円に対して、11億円に着地しました。(事実)この好調の理由を当社は、必死の営業努力と市場環境の後押しの2つだと考えております。(解釈)
上記のように、事実と解釈を分けて書くことで、分かりやすい文章になります。
まとめ
本記事では、北野 唯我著『仕事の教科書』を参考に4つの学びを解説しました。
終章で北野氏は、「ビジネスのすばらしさは、最初は誰もが素人なところ。生まれながらに仕事ができる人は一人もいないからこそ、努力する喜びがある」と述べています。
仕事は、悩みや苦しさを感じることもあります。そんな時、尊敬できる先輩や同僚、北野氏のような先人、が培ってきた技術やアドバイスを見よう見まねで真似してみることから始めてみるのはいかがでしょうか。
コメント